オリンパスＯＭ２０００

フィルム一眼レフのOMシステムの生産完了がオリンパスから公表されたのは、2002年のことである。世の趨勢がフィルムカメラからデジタルカメラに移ろうとしており、また、AF一眼レフへの移行に失敗したオリンパスであるので、惜しまれはしたものの、「いよいよか。仕方ないなあ。」という思いで見られていたものと思う。1997年に発売されたOM2000は、最後のOMボディーとなった・・・はずなんだが、ＯＭ－１やＯＭ１０といった旧来のOMシステムとは趣を異にしている。オリンパスから公表はされていないものの、実態はコシナCT-1スーパーを元にしたコシナOEMであるというのが、大方の見立てである。国内ではあまり話題に上がらなかったOM2000であるが、もしかしたら輸出主体の機種であったのかも知れない。コシナCT-1スーパーをベースとするカメラには、フォクトレンダーのベッサシリーズのほか、ニコンFM10、キヤノンT60、リコーXR-8スーパー、ヤシカFX-3スーパーもそうであろうと言われている。OEMだから中身が全部一緒かというとそうでもなく、ニコンFM10にはミラーバランサーが内蔵されているし、OM2000は測光方式をスポット測光に切り替えることが出来るという独自性を見せている。しかし、OMの特徴であったマウント基部のシャッターダイヤルは、一般的なボディー上面となってしまっている。そのほか、露出表示は＋○－といった簡易な表示に留められているし、露出計が機能するのはシャッターボタンを半押しにしている間だけである。ＯＭ－１の簡易版と思ってかかると、面食らうことになる。ただし、シャッター速度は最高1/2000であるし、X=1/125と、従来のOMより優位な点も見られる。また、多重露出がレバー式で容易に行えるようにもなっている。

私は、長く使うならＯＭ－１かなと思いつつも、H-D水銀電池入手できなくなって電池アダプターを介しないと露出計が機能しないことや、ＯＭ－１はペンタプリズム腐食の持病があるそうなので二の足を踏み、OM2000の中古購入に至った。しかし、CT-1スーパーOEM機には、ミラーずれのおそれがあることを後になって知り、やっぱりＯＭ－１を買い足そうかなどと考えているところでもある。

　シャッターダイヤルは、普通の一眼レフと同じ、軍艦部右にある。同じダイヤルで、ISO感度の設定も行う。

　巻き戻しクランクの基部に、測光方式をスポット測光に切り替えるレバーがある。

　電池は、フタに入れてから挿入する方式。電池の上下方向は、従来のOMとは逆なので注意が必要である。