コニカ AUTOREFLEX T4

コニカは日本のカメラメーカーの老舗だが、35mm一眼レフの国内での売れ行きはさほど芳しくはなかったようだ。それでも交換レンズは錚々たる布陣であり、魚眼、超広角レンズから1000mm超望遠レンズまでを擁していた。明るいパンケーキ標準レンズ ヘキサノンAR40mmF1.8はよく知られているところであるし、高倍率標準ズーム28-135mmはレンズメーカーでなくコニカが先鞭を付けたものである。αショック以降レンズラインナップが徐々に減ってきてはいたが、90年頃に海外ロケにより作製されたヘキサノンレンズ総合カタログは、なかなかに見応えがあったことを覚えている。とはいえ今や中古市場にはARマウントのカメラもレンズもあまり見ないくらい、稼働する個体で現存するものは少なくなっているようである。私は、TC-Xを手に入れたものの、これからレンズを一揃い揃えたところで、投資に見合うほどは撮らないだろうから、コニカでシステムを揃えるのは諦めていた。そんな中、専門業者による整備がなされたものというふれ込みで、本機をオンラインショップで見つけ、しばらく逡巡したものの、TC-Xが壊れたときのバックアップ用にとでも思って購入したものである。

手に入れた個体は、貼り皮は新しいものに取り替えられており、全体に綺麗な印象であった。ところが、露出計用の電池が、今は製造されていないH-D水銀電池（MR9）だったのである。買う前に調べた方がよかったのは当然だが、輸出専用機であったらしく、ネット情報も少ない機種であった。H-D水銀電池は、オリンパスOM-1やキヤノン旧F-1などで採用されており、その需要から別の電池（SR43酸化銀電池）を電圧変換して使えるようにするアダプターがあることは知ってはいた。量販店でも常時在庫はしていないものらしいが、たまたま再生産の時期が近かったので、購入することが出来た。でも、このアダプターもSR43電池もそう安いものではなかったので、カメラボディー購入以外にも予定外の出費をすることになってしまった。

　オートレックスかと思ったら、オートレフレックスだった。この言い分けが何故かは分からない。

　関東カメラ製のMR-9アダプターとSR43酸化銀電池。このアダプターのおかげで、今でもこのカメラが使えます。