オリンパスのレンズ交換式デジタル一眼レフで、初めて手ぶれ補正を実現

オリンパス　Ｅ－５１０

同時に発表されたE-410とは兄弟機と言えるだろう。オリンパスのレンズ交換式デジタル一眼レフで初めて手振れ補正を実現した機種である。オリンパスのレンズ固定式デジタル一眼レフで手振れ補正を実現した機種には、2000年発売のCAMEDIA C-2100 Ultra ZOOM があるが、このレンズ内手振れ補正機構はキヤノン製だったと言われている。オリンパスがレンズ交換式で独自の手振れ補正を実現するまでは、長い雌伏の期間があったのである。この手振れ補正機構は超音波モーターによる撮像センサーシフト式で、精度・効きともにかなり強力なものである。これが評価されたのか、オリンパスのデジタル一眼レフでは最も売れた機種となったようである。

E-330を経てライブビューの扱いになれてきたのか、本機にもライブビューが搭載されている。ただし、E-330のＡモードと違って、ライブビューとAFとを両立できているわけではないので、AFする場合にはミラーがパタパタと上下することになる。これは後継機E-520では解消されているのだが、本機の登場時点ではやむを得ないものだろう。それでも、ホワイトバランスその他の補正効果を背面液晶で確認できるので、このライブビューは現在のミラーレスの利点の一部を先取りしていたと言えるだろう。

カタログには宮崎あおい嬢が起用され、表紙には「GO FIND YOUR WONDERS」の文字が踊るなど、オリンパスとしても強力に売り出していたことがうかがい知れる。E-500譲りの小型軽量ながら、E-500登場時には無かった小型軽量のＷズーム（ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 と ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0-5.6）との組合せで、軽快な撮影が手振れ補正の安心感とともに味わえるのだから、評価も高かったことだろう。惜しむらくはAF測距点が旧来の3点しかないことで、AF-Cの食いつきの悪さも含めて、オリンパスのAFが他社に大きく遅れているという悪評を覆すことはできなかった。インプレスから出版されたムック「旅カメラ OLYMPUS E-510 ワンダーブック」によると、組立ては中国広州市のオリンパス広州事業場で行われているとのことで、ベトナムに製造拠点が移った今となっては懐かしさすら感じられる機種である。

　背面液晶は固定式なので、ライブビュー時の撮影スタイルにあまり自由度はない。

　手振れ補正を最大の売りにしたかったからだろう、肩にはＩＳ（IMAGE STABILIZATION」の文字が目立つ。