三宅村指定旧跡
不受不施派僧の墓

昭和47年２月20日指定

　不受不施派（ふじゅふせは）というのは、僧は信仰のない無縁の俗人からは一切の施しを受けない、無縁の人に対しては法を施さないという教義を持った、日蓮系の教団であった。徳川幕府から禁教の措置を受けて弾圧され、1876年（明治９年）に信教の自由が得られるまでの間に、命を落とした人が156人、遠島の刑に処せられた人が181人いたという。遠島のうち三宅島に送られた人は33人あり、島内数ヶ所に墓碑・供養塔があるそうだ。没した当時は塔婆を建てず、後に墓碑を島外から運んできて建てたらしく、また、父母・師弟の供養塔もあるという。
　三宅島伊ヶ谷（いがや）の伊ヶ谷郵便局の南、三宅島一周道路から小高くなったところに、三宅村の旧跡に指定された「不受不施派僧の墓」がある。

参考：
・三宅島史編纂委員会（1982年（昭和57年））『三宅島史』pp.819-823.ぎょうせい
・東京都教育委員会 編（1958年（昭和33年））『伊豆諸島文化財総合調査報告書 第１分冊』pp.312-313.（東京都文化財調査報告書６）
・池田信道（1983年（昭和58年））『三宅島の歴史と民俗』pp.110-114.伝統と現代社
・池田信道（1973年（昭和48年））『三宅島百話』pp.146-147.島の新聞社